防風通聖散は、漢方薬の一つで、特におへそを中心とした脂肪がついた肥満症に効果的です。いわゆる「太鼓腹」と表現される重役タイプの肥満に使用されることが多いです。この漢方薬は、体内にこもった熱を下げ、老廃物を排出する働きがあります。この記事では、防風通聖散の効果や含まれる成分、市販品の選び方について詳しく解説します。
防風通聖散に含まれる成分とその効果
防風通聖散には、18種類の生薬が含まれています。それぞれの成分には特定の効果があり、それが組み合わさることで総合的な効能を発揮します。
大黄・芒硝・甘草
これらの成分は胃腸内の食毒を改善し、便秘を解消する効果があります。
防風・麻黄・連翹・薄荷・荊芥
これらの成分は発汗を促し、体内の余分な水分を排出します。
桔梗・山梔子・連翹・大黄・薄荷・黄・石膏
これらの成分は体内の熱を改善し、炎症を抑える効果があります。
白朮・滑石
これらの成分は体内の水分バランスを整え、水毒の改善に寄与します。
当帰・芍薬・川
これらの成分は血流を改善し、冷え性や生理不順にも効果的です。
防風通聖散が効果的な症状
防風通聖散は、以下のような症状に効果的です。
便秘症
防風通聖散に含まれる大黄や芒硝が便秘を解消します。
むくみ
防風や麻黄などの成分が発汗を促し、体内の余分な水分を排出します。
肥満症
特におへそを中心とした脂肪に効果があります。体内の老廃物を排出し、脂肪燃焼を促進します。
高血圧に伴う動悸・肩凝り・のぼせ
体内の熱を下げ、血流を改善することで、これらの症状を緩和します。
防風通聖散の市販品の選び方
市販の防風通聖散を購入する際には、以下のポイントを参考に選びましょう。
①満量処方（配合量）で選ぶ
漢方薬には、最大量が含まれた『満量』、その半分の『1/2量』、2/3だけ含まれた『2/3量』などがあります。より効果を求める際には満量を選びましょう。
②飲みやすさ（錠剤の種類）で選ぶ
防風通聖散には錠剤、顆粒剤、散剤（粉薬）の種類があります。自分に合った飲みやすい種類を選ぶと良いでしょう。
③1回の錠数と1日服用回数を見て選ぶ
市販の防風通聖散は錠剤タイプが多く、1回の錠数と1日の服用回数は製品によって異なります。1回の錠数が少ないものを選ぶと飲みやすいです。
防風通聖散の副作用と注意点
防風通聖散には、副作用が出る可能性もあります。事前にどんな症状が副作用としてあげられるのか、確認しておきましょう。
アレルギー症状
漢方薬の薬草でアレルギーが出ることがあります。だるさや微熱、湿疹などの症状が出た場合は、服用を中止し、病院を受診してください。
下痢、腹痛
防風通聖散に含まれる大黄などの成分が原因で、下痢や腹痛が起こることがあります。元々下痢をしやすい人や胃腸が弱い人は注意が必要です。
発汗
防風通聖散には発汗作用があります。体力のない人や普段から汗をかきやすい人は注意してください。
特定の症状・疾患がある方は要注意
下痢や軟便がある方、胃腸が弱い方、体力が著しく低下している方、甲状腺疾患がある方は、防風通聖散の服用を避けるか、医師に相談してください。
防風通聖散の効果的な飲み方
防風通聖散の効果を最大限に引き出すためには、正しい飲み方を守ることが重要です。
空腹時に服用する
漢方薬の吸収を高めるため、空腹時の服用が推奨されます。食前であれば30分以上前、食後であれば2時間以上後が適切です。
お湯で服用する
防風通聖散はお湯で服用するのが効果的です。血行を良くする成分や発汗を促す成分が含まれているため、冷たい水よりもお湯で飲むことで効率が高まります。
顆粒タイプは溶かして服用する
顆粒タイプの防風通聖散はお湯に溶かして服用するのが理想的です。香りも効果の一部とされるため、溶かして飲むことでより効果が期待できます。
防風通聖散の副作用と注意点
防風通聖散には副作用が発生する可能性があります。以下の症状が見られた場合は、すぐに服用を中止し、医師に相談してください。
アレルギー症状
薬草に対するアレルギー反応として、だるさや微熱、湿疹などの症状が現れることがあります。
下痢、腹痛
大黄などの成分により、下痢や腹痛が生じることがあります。特に胃腸が弱い人は注意が必要です。
発汗
防風通聖散には発汗作用があり、体力が低下している人や普段から汗をかきやすい人は注意が必要です。
防風通聖散を避けるべき人
防風通聖散はすべての人に適しているわけではありません。以下の条件に該当する人は、服用を避けるか、医師に相談してください。
下痢や軟便がある人
防風通聖散は排便を促す成分が含まれているため、既に下痢や軟便のある人には適していません。
胃腸が弱い人
成分によって胃腸に負担がかかることがあるため、胃腸が弱い人は注意が必要です。
甲状腺疾患のある人
甲状腺疾患を持つ人には、防風通聖散の成分が影響を与える可能性があります。
防風通聖散の選び方まとめ
防風通聖散を選ぶ際のポイントをまとめます。
①満量処方で選ぶ
最大量が含まれた『満量』を選ぶことで、より効果を期待できます。
②飲みやすさで選ぶ
錠剤、顆粒剤、散剤（粉薬）など、自分に合った飲みやすい種類を選びましょう。
③1回の錠数と1日服用回数を見て選ぶ
1回の錠数が少ないものを選ぶと飲みやすいです。
まとめ
防風通聖散は、特におへそ周りに脂肪がついた肥満症に効果的な漢方薬です。18種類の生薬が組み合わさることで、便秘解消、むくみ改善、脂肪燃焼、高血圧の緩和などの効果が期待できます。市販品を選ぶ際は、満量処方、飲みやすさ、1回の錠数と1日服用回数を基準に選びましょう。また、副作用や特定の症状・疾患がある方は注意が必要です。正しい飲み方を守り、自分に合った製品を選ぶことで、効果を最大限に引き出すことができます。
